MAVICオイル注入!!!

[注意]作業に不安がある方は購入したショップでメンテナンスを依頼してください。このエントリーを読んで作業した結果、生じた不具合について当方は一切責任をとりません。参考にされる方は自己責任で作業してください。


1.はじめに

決戦車(そもそもガチでレースには出ていないが)のMADONE5.2には、MAVICのコスミックカーボンSLSを使っています。MAVICのホーイールに共通の仕様ですが、フリーには定期的に通称”MAVICオイル”の注入が必要です。注入時期については諸説ありますが半年〜1年毎、もしくはラチェット音が乾いてきたらと言うのが一般的です。

あと、私は作業後に見つけたのですがMAVICの公式メンテナンスブックがWebで公開されています。下記URL(PDF)の最後の方にメンテナンス方法が記載されています。初めて作業される方は、参考にしてください。
http://www.tech-mavic.com/tech-mavic/technical_manual/data/docs/themes/2_19.pdf


2.分解方法

Webをあさると、両側から突っ込んでバラす方法が紹介されていますが、私のコスミックカーボン2013モデルには反フリー側に引っかかりがなく、緩めることができませんでした。
自分のホイールを観察すると、フリー側にナットが付いていました。怪しいと思い、めがねレンチで緩めると、シャフトを緩めることが出来ました。写真のように作業すればフリーボディーを取り外すことができます。


3.MAVICオイル注入

清掃後、奥に入っているパッキン、ラチェットの爪、フリーボディの内側の爪、ベアリング周辺にMAVICオイルを挿していきます。ハブに入れる潤滑油といえば、粘性の高いグリスが一般的ですが、MAVICがこれを使用していないのは、グリスが固着してラチェットの爪が上がらなくなること(MAVICの人が言っていた)、ダストカバーに使っている樹脂パーツの侵食を避けるため(どっかのブログ記事で読んだ)だと言われています。


4.組み立て(トラブル発生)

分解と逆の手順で組み立てます。ここでトラブルが発生しました。
シャフトにはスペーサーが付いていて、片面にテーパーが付けてあります。取り外した時は、テーパーが咬み合わない方向に取り付けられていた(これが間違い)と記憶していたので、テーパーが合わない方向に取り付けることに疑問を感じつつも、仮組みして軽くナットを締めてみました。しかし、反フリー側が飛び出ているので間違えに気づき、あわててスペーサーの向きを治そうとししました。でもこの時点で完全にハマり込んでしまい、どうにも取り外せません。いろいろ試しましたが最終的には新しい部品と交換することにしました。


5.部品取り寄せ

いつもお世話になっているショップに事情を話し、部品を取り寄せてもらうことにしました。少々迷惑かなぁ
と思いつつ、「自転車はいじるのも趣味のうち!失敗だってするさ!」と思いお願いしました。
場合によりますが、オーダーを出してからおおむね1〜2営業日で出荷されるそうです。
以下が取り寄せたシャフトです。なんとメイドinルーマニアでした。
あと、取り寄せたシャフトにはトラブルの元凶となったスペーサーは付いていませんでした。長さを測ると、写真のように新シャフト=旧シャフト+スペーサーだったので、対策がなされたようです。私のように逆に取り付けてシャフトを駄目にする人がたくさん居たんでしょう(勝手な想像です)
ちなみにお値段は税別6000円だったと思います。若干割高な感じもしますが、スモールパーツが割高なのは世の常なので仕方ないですね。(利益率、在庫管理/物流コストを考えると妥当とも考えられますが、、、)



6.改めて組み立て

改めて組み立てます。先述のMAVICのメンテナンスブックによると、締付けトルクは10[N·m]と規定されているので、規定値通りトルクレンチで締めます。あとはスプロケットを取り付けてMAVICオイルの注入は作業完了です。
最後にディレイラーの調整をします。意外と大きくズレていて、2.5〜3回転ほどアジャスターを回しました。



7.まとめ

ということで、簡単なはずの作業が思いの外時間がかかってしまいました。お店には少々迷惑だったかもしれませんが、無事に交換部品を入手できて、楽しく愛車のメンテナンスが出来ました。部品代はかかってしまいましたが、これで出来る作業が増えたと思えば妥当な金額です。


8.おまけ

反フリー側についていたベアリングの写真です。
普通にNTNのベアリングが付いていました。特に圧入されているわけではなく、シャフトを取ったら一緒にくっついてポロッと取れました。(フリー側は圧入されているかもしれません)ベアリングがダメになったらベアリングだけ買ってきて交換ができますね。(サーチコストを考えれば、自転車屋さんに発注したほうが安いかも、、、)
ちなみに型番は”690ILU”でした。